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ラボグロウンダイヤモンドを天然と偽ったケースの発生(海外)



昨年末にイタリアの鑑定機関であるGem-Tecで、そして今年ベルギーの鑑定機関であるIGIでそれぞれ、天然ダイヤモンドとして検査に持ち込まれたダイヤモンドがラボグロウンダイヤモンドであったという報告が発生しました。


これらのダイヤモンドにはどれもアメリカの鑑定機関であるGIAが発行した天然ダイヤモンドのグレーディングレポート(鑑定書)が添付されており、それらのレポートに記載された重量や寸法は持ち込まれたダイヤモンドのものと非常に近かったということです。またそれぞれのダイヤモンドには、GIAで鑑定されたことを証明するレーザー刻印(GIAロゴ、鑑定番号)がガードルに施されていました。


それぞれの鑑定機関で詳細に検査した結果、それらのダイヤモンドは天然ではなくラボグロウンであると結論づけられました。


もちろん、これはGIAがラボグロウンダイヤモンドに対して天然ダイヤモンドのレポートを発行したというわけではありません。GIAが天然ダイヤモンドに対して発行したグレーディングレポートを利用し、悪意のある業者が同じサイズのラボグロウンダイヤモンドを用意(またはレポート通りの寸法に再研磨)して販売したということです。ガードルのレーザー刻印に関しても、GIAのものを偽装して施されていたものです。


ダイヤモンドの鑑定書は再発行や複数の鑑定機関でのレポートの取得など、一つのダイヤモンドに対して複数の鑑定書を発行することが可能であり、また鑑定書と現物(ダイヤモンド)の同一性をどう担保するのかという課題に関しても再認識させられる事例となりました。


今回のケースに関してはそれぞれルース(裸石)の状態で持ち込まれており、比較的判別は容易だったものの、リングなどにセットされた状態であれば寸法の僅かな違いなどで違和感を見つけることは難しいでしょう。(鑑定機関に持ち込めばセットされていても、紫外線検査、赤外線検査などを組み合わせ、最終的に判断は可能です)


ダイヤモンドと鑑定書の記載に違和感を感じた場合は改めて鑑定機関に検査を依頼することも重要ですが、最も重要なことは信頼できる取引先、購入先を選ぶことです。これは天然ダイヤモンド、ラボグロウンダイヤモンドどちらでも同様です。


健全なダイヤモンド市場の発展には、消費者信頼の担保が必要不可欠です。当協会ではラボグロウンダイヤモンド及びダイヤモンド全般に関する知識の提供、情報の提供に加え、倫理的な取引と適切な管理に努めております。天然ダイヤモンド、ラボグロウンダイヤモンド双方の市場が健全に発展していけるよう、皆様のご協力を引き続きお願い申し上げます。



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