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ラボグロウンダイヤモンドの適正な小売価格とは?




最近、ラパポートのダイヤモンド・ポッドキャストでThe Clear CutのCEOであるオリヴィア・ランドーがラボグロウンダイヤモンドについて語りました。


オリヴィア・ランドーは元ティファニーの販売員であり、ダイヤモンドジュエリーのカスタムメイドのECであるThe Clear Cutを設立しています。同社ではラボグロウンダイヤモンドは取り扱っておらず、天然ダイヤモンドのみの取り扱いとなっています。


ポッドキャストの中でオリヴィアは「消費者はラボグロウンダイヤモンドがどれほど安価であるかを理解しておらず、小売店では多くのマージンを取り天然ダイヤモンドと比較して『まったく同じものですが、50%〜70%安価だ』と言って販売している。」と指摘しています。


この指摘は今までも一部の天然ダイヤモンド販売業者から指摘されているものです。一部の天然ダイヤモンド販売業者はラボグロウンダイヤモンドの小売マージンが多いと指摘し、それによって利益を得ていると主張します。しかし、その主張は正しいでしょうか?


一般的に市場価格は需要と供給によって決定されます。つまり販売価格と消費者が購入してもいいと考える価格が釣り合っていれば、市場は成立するということです。この市場価格のメカニズムにコストは関係ありません。


加えて、ジュエリーは生活必需品ではありません。水や電気と異なり消費者は購入しないという選択ができ、選択の自由があります。そのため販売業者は自社の小売価格をある程度自由に決定する権利があります。


ジュエリーの価格は原価から積み上げられて設定されるものではありません、ブランド価値、デザイン性、ダイヤモンドやジュエリーの品質から消費者に受け入れられる価格をブランドや販売側が自由に設定できるはずです。


「天然ダイヤモンドとまったく同じものだが、50%〜70%安価だ」この説明も間違ってはいません。ラボグロウンダイヤモンドは天然ダイヤモンドと物質的に全く同一であり、尚且つ天然ダイヤモンドと比較して非常に安価に販売することができます。そしてそれは一部の消費者にとっては非常に魅力的な商品です。


もし原価から一定以上を超えるマージンを取って商品を販売することが詐欺に当たるとしたら、ハイブランドが販売しているシルバージュエリー商品、ナイロンなどの合成繊維を使用したブランドバッグ、絵の具しか原価がかからない絵画の販売金額は詐欺でしょうか?海岸で拾ったシーグラスは無料で配る必要があるのでしょうか?


ブランドとは価値を創造するものです。逆に言うと、ブランドである限り原材料を大きく超える価値を創造する必要があるということです。例え他社が安価で販売していたとしても自分がそれを超える金額を設定してはいけないということはありません。これは天然ダイヤモンドでもラボグロウンダイヤモンドでも、また他の素材を使用したジュエリーであっても同様です。


生活必需品ではないジュエリーだからこそ、そこにブランドの特異性を注ぎ込み、消費者から見た価値を創造することができるのです。ジュエリーの価値はブランドが決定し、消費者がそれを見極めるもので、それ以上でもそれ以下でもありません。

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