ラボグロウンダイヤモンドは、依然として世界的なジュエリー業界の議論の的です。ジュエリーマーケットリサーチ会社、PZ Diamond Analyticsの調査によると、ラボグロウンダイヤモンドの世界売上高は、2022年に120億ドル(約1兆8千億円)まで増加し、前年比38%の増加となっています。
ラボグロウンダイヤモンドの売上は10年足らずで急速に上昇しています。ラボグロウンダイヤモンドの売上高は2016年では10億ドル未満に留まっていましたが、別のリサーチ会社であるテノリスの調査によると、ラボグロウンダイヤモンドの売上は現在のダイヤモンド市場全体の17%以上を占めています。
業界アナリストのポール・ジムニスキーは「人々は安いからラボグロウンダイヤモンドを買うのではありません。気分が良くなるから買うのです。それは感情的な買い物であり、経済的な犠牲を伴います。」とCNBCに語っています。
「ダイヤモンドジュエリーを購入したいと思っている消費者はたくさんいます。1,000ドル代の価格帯では買えないかもしれませんが、100ドル代の価格帯では購入する余裕があります。」と同氏は説明しました。
ラボグロウンダイヤモンド業界は、今年いくつかの主要ブランドの支持から追い風を受けました。
パンドラは「Diamonds For All」キャンペーンを発表し、3つの新しいラボグロウンダイヤモンドコレクションを発表しました。またプラダは「エターナルゴールド」コレクションを発表し、業界にラボグロウンダイヤモンドを採用するよう促しています。
デビアスのラボグロウンダイヤモンド ブランドであるライトボックス・ジュエリーは、このカテゴリーへの消費者の関心を拡大することを目的とした2つの新しいデザインコラボレーションを最近発表しました。
このライトボックスは2018年の設立以来、業界で物議を醸す存在であり、ダイヤモンド業界でこのブランドが果たすべき「全体像」の役割について謎が生じています。
ジェメトリックスのディレクターでダイヤモンド専門家であるジョン・チャップマンはABCニュースに対し、ライトボックス導入の背後にある戦略は依然として不透明だと語っています。
「彼らの戦略が何だったのかについては、いくつかの予想がある。なぜなら、それらはラボグロウンダイヤモンドの中でも非常に安価であり、低価格帯だったからだ。これは、この価格に合わせようとする他の生産者すべてを弱体化させ、その結果、おそらく業界を破壊するという戦略だったという憶測もあった。」と彼は語りました。
米国第2位のラボグロウンダイヤモンド生産会社であるWD Lab Grown Diamondsが今年10月に破綻したことで、現在生産競争の激しさが浮き彫りになっています。
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